(両陛下の沖縄ご訪問#2)昭和51年1月17~18日、沖縄国際海洋博覧会閉会式

伊江島・今帰仁(なきじん)をご訪問

両陛下は、昭和五十一年一月十七~十八日、沖縄国際海洋博覧会閉会式のために再び沖縄をご訪問になりました。

最初のご訪問では初日に南部戦跡をご巡拝になった両陛下でしたが、この度は北部における激戦地の一つ、伊江島をご訪問されました。戦死した将兵・住民約三千五百名を祀る「芳魂之塔(ほうこんのとう)」をご参拝になり、遺族代表二十名にお声をかけられました。

伊江島は沖縄国際海洋博覧会会場の沖合にある島です。先に海洋博開会式に出席された両陛下は、屋良朝苗(やら・ちょうびょう)知事から「沖縄本島では三人に一人、伊江島では二人に一人が亡くなっている」という話をお聞きになり、閉会式に合わせて伊江島をご訪問になったのでした。

また両陛下は、県内最大級の城として名高い今帰仁村(なきじんそん)の「今帰仁城」をご訪問になり、寒緋桜(カンヒザクラ)をご覧になりました。今帰仁の寒緋桜は一月中旬、日本で一番早く咲く桜と言われ、この時もちょうど両陛下のご訪問に合わせたかのように、紅い花をつけたのでした。

陛下は、海洋博覧会の開会式・閉会式の二度の沖縄ご訪問を通して、次の琉歌(りゅうか)をお詠みになりました。

 

魂魄之塔(こんぱくのとう)

花よおしやげゆん 人知らぬ魂 戦ないらぬ世よ 肝に願て
(編注:戦=いくさ、肝=ちむ)

摩文仁(まぶに)

ふさかいゆる木 草めぐる戦跡 くり返し返し 思ひかけて

伊江島(いえじま)

広がゆる畑 立ちゆる城山 肝のしのばらぬ 戦世の事
(編注:肝=ちむ、戦世=いくさゆ)

 

琉歌は、八・八・八・六音を基調とした沖縄独特の歌ですが、沖縄の方々でも簡単に詠めるものではありません。この一事からも、陛下が、復帰前からずっと沖縄に御心を寄せ続けてこられたことが分かります。