(両陛下の沖縄ご訪問#7)平成7年8月2日、戦後五十年「慰霊の旅」

「平和の礎(いしじ)」をご覧に

戦後五十年という大きな節目となった平成七年、両陛下は特に戦禍(せんか)が甚大であった長崎、広島、沖縄、東京を相次いでご訪問になりました。七月二十六日に長崎、翌二十七日に広島に赴かれ、一旦帰京された後、八月二日に沖縄に入られました。

平和祈念堂では、県内の遺族代表約百名とお会いになり、親しく会話を交わされました。名残り(なごり)を惜しみながら退出された両陛下のお姿が印象的だったといいます。

その後、国立沖縄戦没者墓苑を参拝され、続いて約二十四万人の犠牲者の名前が刻まれた「平和の礎(いしじ)」で、刻銘をつぶさにご覧になり、炎天下、差しかけられた日傘を辞される場面もありました。

「平和の礎」は約一ヶ月前に除幕式が行われたばかりでした。沖縄滞在はわずか五時間、まさに鎮魂のための日帰りのご訪問でした。

帰京された両陛下は、翌八月三日、休まれる暇もなく、東京都慰霊堂に赴かれ、慰霊の旅を終えられました。なお、前年の平成六年には、硫黄島の慰霊碑に拝礼されています。

その平成六年の沖縄慰霊の日(六月二十三日)は、両陛下はご訪米中で、サンフランシスコ市長夫妻主催の晩餐の予定でした。しかし、事情を説明して開始時間を調整してもらい、例年通り沖縄の式典で黙祷が行われる日本時間二十三日正午に合わせて、ホテルの部屋で黙祷を捧げられたといいます。

陛下は皇太子時代に「日本人が記憶しなければならない日」として、沖縄慰霊の日(六月二十三日)、広島原爆の日(八月六日)、長崎原爆の日(八月九日)、終戦の日(八月十五日)を挙げられ、これらの日には欠かさず黙祷を捧げておられます。